海を走る氷の馬

この世の楽しそうなこと全て体験しないと気が済まない

木々との対話

東京都美術館で開催中の「木々との対話」展を見に行ってきました。

www.tobikan.jp

これは都美館の開館90周年記念展ということで、正に超豪華ラインナップ。

 

中でも私は土屋仁応さんの作品が非常に好きなので、それを知っている友人らから「これは絶対に見るべし」とレコメンドが続々寄せられたので行ってきました大阪から。今回は半分この展示を見るために上京したようなものです。

 

新作から個人蔵の旧作まで、これだけ大型の土屋作品が集まっているのは初めて見ました。展示室に入った瞬間、昨年メグミオギタギャラリーで見た「竜」が展示されているのが目に入り、なぜか涙があふれてしまいました。

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初めて見たときから私はこの竜に惹きつけられてたまらないのです。

本当に、ただただ綺麗。

なにか懺悔したいような、心を見透かされているような気持ちになってしまう。

 

今の田中福男さん作のガラスの玉眼を入れるようになる前の作品では水晶の目を使っていたと思いますが、私は土屋さんの作品は水晶のようだと思っています。水晶はすべてを浄化する力があるとされ、古代から魔よけや神事に使われてきた石です。現代でも「置いた場所を浄化し、エネルギーを調和する」という力があるパワーストーンとして信じられています。土屋さんが作り出す優しい目をした生き物たちは、こちらに向けて強いメッセージを放っているわけではありません。ただ目前に立った者のすべてを受け入れてくれるような感覚。作品を見ていて「赦される」と思うことが他にあるでしょうか。これは彫仏がルーツの土屋さんならではかもしれません。

私が土屋さんのことを知った頃にはもう閉館していた「ギャラリーイヴ」で発行されていた「イヴ叢書第十篇  月の光」という本があります。これは星新一さんのショートショート「月の光」に土屋仁応さんの彫刻の写真を合わせた画文集なのですが、この世にこんなにもぴったりと合う作品同士があるのかと、展示会場でサンプルとして出されていた本書を読みながら涙が出たのをよく覚えています。私が土屋さんの作品に感じるゆるぎない優しさや純粋すぎる悲しみ、指先に触れるような気がするしっとりとした肌。まちがいなく生きていると思わせるのに、きっと触れるとひんやりしている、あの生き物たち。よく土屋作品のモチーフになっている麒麟は綺麗な空気と水しか口にしないとされていますが、その過剰な清廉さが「月の光」の少女ととてもリンクしていると思いました。

古本に詳しい友人が探し出してくれ、発行から6年くらい経っていた限定1000部のこの本を入手できたときは本当に嬉しかったです。「月の光」そのものは星新一著「ボッコちゃん」に収録されているので読んでみたら分かるかと思います。

 

そして今回ハッとしてしまったのが現代美術の作品との付き合い方についてです。この大好きな竜の作品キャプションに「個人蔵」とついているのを見た瞬間、ヒュッと喉の奥が閉まるようなショックを受けてしまいました。そりゃもちろん人気作家だしこれだけ素晴らしい作品には買い手がつくに決まっています。百万は下らない値が付いていたでしょう。はじめて見たときも「買う」という選択肢ははじめから頭にはなかった。でも個人蔵ということは、美術館に収められた作品とは違って今後一生お目にかかることがなくても何ら不思議ではないんだ、ということを初めて実感させられました。

もしもこの先土屋さんがタツノオトシゴを作るようなことがあれば札束を握りしめて飛んで行こうと深く心に刻んだのでした。タツノオトシゴ、雰囲気に合ってると思うんですけどどうですか……オスが子供産んで神秘的ですよ……?絶対お金ためるから作って欲しい……。

なのでこの展示を見た感想の結論は「稼ぐぞ!」ということです。がんばって働くぞ〜!

 

土屋さんの展示室に長居してしまったけどもちろん他の作品もしっかり堪能してきました。資料室にあった須田さんの作品(本棚の奥に隠れているツユクサ)を覗き込んだ後、となりにいたおばあさまに「あれは……猫ちゃんかしら?」と聞かれて「!?!? ツユクサ…だそうですよ!」と答えて逃げた。

なぜあれが猫ちゃんに見えるんだ。

 

しかも都美館のキャンペーンでポスターが当たりました。届いたのが応募締め切りの二日後くらいだったんですけど!仕事早い。

この展示でひとつだけしっくりこなかったのが英文フォントなんですけど……なんでそのチョイスなんだ〜!!!和文とぜんぜん雰囲気あってないぞ!!!ポップすぎるでしょうが〜〜〜!

という叫びを結びの言葉に代えさせていただきます。

 

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賃貸なので怯えてすぐ剥がした

コーヒー飲み比べ教室に行った話

私はコーヒーが大好き。家で淹れるのも喫茶店で飲むのも大好き。

これは完全に父の影響で、かれこれ15年ほど実家で毎朝毎晩父がドリップしたコーヒーを飲んでいたので、最早生活の一部になっているようなかんじです。淹れ方は父の流儀を教わっていたので実家では問題なく淹れられていたんですが、引っ越してからまったくコーヒーの味が安定しなくなってしまった。自分のコーヒー道具を揃えようと思ったときに、デザインが気に入りすぎて使ったこともないKINTOのステンレスフィルターのコーヒーカラフェを買ったらどうもうまく使いこなせてないんですよね。実家で使っていたのはカリタのドリッパーとペーパーフィルターだったのですが、それと比べてなんか味がスキッとしないし、なんか、なんかおいしくない!!!(語彙なし)

もうだめだ、これは一度淹れ方をプロに習いにいこう……関西のコーヒー事情とかもついでに教えてもらおう……引っ越してから豆どこで買えばいいのかもわかんないし。そういえばいつも惰性でマンデリン一辺倒だけど、あんまり他の豆の特徴って知らないなぁ。コク深くてどっしりしたコーヒーばっかり飲んできたけど、他のコーヒーのことも知りたい。まとめて飲み比べさせてくれるようなお店ってないのかな?

と思って検索してて見つけたのが大阪は鶴橋にあるルプラ珈琲さんです!前置きが長い。こちらは老舗喫茶店であり自家焙煎のコーヒー豆の販売やコーヒー教室などのイベントを開催されています。

 

lupra-coffee.shop-pro.jp

 

お店に着いたら若いお兄さんに出迎えられてめちゃくちゃびっくりしてしまった。だって純喫茶のマスターって言われたらおっさんだと思うじゃん……あっでもお店の珈琲の入れ方講座の動画に載ってる似顔絵この人じゃない!?!?!とアハ体験。

www.youtube.com

(これね)

 

飲み比べ教室の最初に出てきたのはブラジルのサントスという豆。

飲んだら「普通……」としか思わないような、万人受けするような味。「はじめから終わりまで同じような飲み口のコーヒーですよね」という説明を聞きながら、飲み始めと飲み終わりの味とか考えたことないし果たして私はテイスティングできるのかな!?全部一緒に感じたら意味なし!!!と俄かに不安になってきました。

でも2杯目のコーヒーを飲んだ瞬間、あ!ぜんぜん違う!最初のやつより粉っぽさがなくて、飲み込んだ瞬間すっと抜けるような感じがあって後味がめっちゃ軽い!!!とその味の違いに無表情で感動してしまった。

ナッツが香り高くて喉を通る瞬間が一番香ばしかったブラジル カルモデミナス フローラル、飲み始めは甘くて後味が長く残るケニア マサイAA、軽くてちょっと物足りないけど、香りがすごく立って少し冷めたあとの酸味もおいしいグァテマラ ラ・クプラ ブルボン ワイニー、やばい!このまま飲み続けるとポエムを書き始めてしまう!ソムリエのワインのテイスティングで「裸足で草原を駆け回るような軽快さで……」みたいなわけわからん説明よくあるけど、そうなってしまう気持ちがちょっとわかりました。

いろんな産地の豆を8種類も淹れてもらった後は、自分好みのブレンドを考えてみます。ブレンドコーヒーって、好みの味にするためとかお店の個性を出すものと思っていたけど、安定した供給や価格の調整のためでもあるんだというのを初めて知りました。確かに言われてみればコーヒーも農作物なんだから、全然とれなくて高騰しちゃいましたってこともあるから一種類に頼ると大変なんだなぁ。

選んだ2種類の豆をブレンドしたものも淹れてもらったのですが、それぞれで飲むのとはまったく違う特徴のコーヒーになってて楽しかった。同じ豆の組み合わせでも、6:4と7:3でぜんぜん変わるの。これはやりはじめると沼だな。

最後に今日飲んだ豆をぜんぶお土産にもらって、ハンドドリップのやりかたまでレクチャーしてもらってお会計2,000円はめちゃくちゃリーズナブルだなと思いました。不定期開催だけど超おすすめです。今度は自分のカラフェ持ってコーヒーの淹れ方教室に行きたい。

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もらった豆。

この一番上に乗ってるエチオピア イルガチェフェ ベレカという豆なんですけどね。

お店で淹れてもらったときはびっくりするほどレモンティーの味だったんですよ!後付けのフレーバーではなくちゃんと豆そのものが持ってる味で、レモンティー。コーヒー飲んでるのに紅茶の味するという脳が混乱する体験、とても新鮮でした。これかなり衝撃的だったんで次の日すぐストレートで淹れたんですけど、お店で受けた衝撃を再現するには程遠い香りと味でかなり拍子抜けしてしまった……。豆の特徴をしっかり引き出す淹れ方ができるのがプロの技なんですね。

というわけでベレカはお店に飲みに行きたいと思います。

ダイビングの蜃気楼

海に行きたい。ビーチリゾートではなく東伊豆の海だ。

早朝器材を担いで電車を乗り継ぎ熱海から伊豆急下田線で富戸まで行く。はじめて見たときは読めなかったけど「ふと」と読む。都内からアクセスの良いダイビングポイントのひとつだ。車があればもっと楽なんだろうと思いながら、踊り子号の中でも窓側を向いている座席に座れたときは車窓から見える海がたまらなく眩しい。駅を出るともうダイビングショップの車がスタンバイしていて、明るいショップスタッフが元気に迎えてくれる。ダイビングのインストラクターは皆明るいけど、この人は職業柄後天的に努力で明るさを獲得したな……と分かるタイプがいて、私は総じてその人たちの笑い方が好きだ。ッハッハッハと笑い出しに休符が入る。

伊豆はめちゃくちゃ坂が多い。ショップに行くまでのほんの数分の間に坂を上ったり降りたり、やたらクネクネした道を行くので伊豆に住んでたら車の運転がうまくなるだろう。ショップに着いたらすぐ準備をして浜に向かう。水着は家から着て来ている。富戸にはビーチポイントが2ヶ所あって、どちらも初心者でもいろんな種類の魚がたくさん楽しめるので人気だ。腰が浸かるくらいの深さまでじゃぶじゃぶ海に入ったらフィンをつけて泳ぎ始める。入って即きれいな青色のソラスズメダイなんかが見えてかわいい。こいつらはどこにでもいる。

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伊豆と言われて想像するよりずっとカラフルで、クマノミやこのスズメダイなんかの熱帯系の魚が見られる。もちろん食べたらおいしい系の地味な魚も多いけど。

今の時期だったらアオリイカの産卵が見られるだろう。アオリイカが泳ぐ姿というのは本当になめらかで無駄がない。産卵の邪魔をしないように静かに着底して見上げるイカは、コンピューター制御されてるようだといつも思う。体の両側のみみをウェーブさせて泳ぐ姿はいつまででも見ていたい。魚は頻繁に進路を変えて泳ぐけどアオリイカはなんか落ち着いてる印象だ。そしてでかい。ものすごくでかい。あとイメージと逆方向に進むのではじめて見たときは驚いた。

 

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これは一度しか見たことないヤマヒメノカミ。5cmくらいしかなくてとてもかわいかった。

 

海の中では意外と音が聞こえるもんだけど、やっぱり一番聞こえるのは自分の呼吸音だ。シューコポコポ……とダースベイダーの声の元になったと言われているあの音。リラックスして潜っていればいるほど呼吸は細く長く、海面へ上がっていく泡も小さくなっていく。見上げれば太陽が波にちぎられて散らばっている。きれいなグラデーションを時折横切る魚。

海から上がったら「温泉丸」に向かう。これは富戸の人気の一端を担う、ウェットスーツのまま入れる温泉だ。港に設置された漁船の中に源泉掛け流しの温泉がひかれていて、視界の先は海。夏でも海から上がった後は体が冷えているので、ここに浸かってぼけっとするのは至高のひと時。さっきまで一緒に潜ってた人たちと感想を言い合ったりなどして、話をしてれば必ず何かしらの共通点が見つかる。一度はふた回り年上のおじさまが同じ小学校出身だとわかって盛り上がったことがある。そうやってたまたま出会った人と後日別のところに潜りに行ったこともある。富戸に行くときはたいてい一人だから、話したくないときは一人でぼーっとしてればいい。昼ご飯を食べて休憩した後もう一本潜る。終わってログ付けしたらもう夕方だ。帰りの電車はたいてい爆睡している。ああ海に行きたい、伊豆の海に行きたい。だめならとりあえずプール行きたい。

 

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どこにいるでしょう

主婦 week4

冷凍したトマトを解凍してみたら大量の水とちいさな赤いぶよぶよの塊に変化してしまった。

(トマトを湯むきするつもりがゆでてしまい、冷凍庫で一瞬冷やすつもりを忘れて完全に凍らせてしまった、ので冷蔵庫に戻してみた……)

トマトってこんなに水出るんですね!!!

水にトマトだったものが浮いていて申し訳なさでいっぱいになった。サラダで食べたかったけど諦めて煮た。

 

というおもしろ風まぬけ主婦エピソードも生まれつつ主婦業も一月が経過しました。

結婚直後は夫の食事のマナーについて「絶対に直してやる」と息巻いていたのですが、一ヶ月経って完全に諦めがつきました。というのも私は勘違いをしており、食事中に肘をついたり左手をテーブルの下にしまいっぱなしなのがマナーとして正しくないことを伝えれば治ると思っていたのですが、そもそもこちらの想像を絶する不器用なせいできれいな姿勢ではどうやっても飯は食えない人間なのだと理解したからです。問題はマインドセットではなく、フィジカルにうまく箸などが扱えないせいでした。もう犬食いでも責めないよ……。

こう思い至るには四月から通い始めたお料理教室も関係していまして、この月一回のお教室を通して私は手先がめちゃくちゃ器用というただ一点でお料理において人よりアドバンテージがあることがわかりました。というかこれまで世間平均の手先の器用さが5として自分は10、と思っていたものがもしかして平均って3くらいなんじゃないか……?と思い始めたのです。野菜を均等な厚さで切る、魚を3枚におろすなどの下ごしらえの部分において、今まで料理を一切していない私にできることが全くできなかったり毎回出血しちゃったりする人が思いの外多いんですよね。そしてその人たちはたいてい調理後の実食での食事の姿勢がめちゃくちゃだったり握り箸だったりする……。

思い返せば中高はマナー教室があるような女子校で、大学は美大、就職後もものづくり系の会社だったので、手先が器用もしくはマナーが叩き込まれている人種に囲まれていたことにより、本当に不器用な人のサンプルが圧倒的に少なかったんだということが分かり、あーなんでも自分が正しいと思うことに他人を矯正しようとすんのやめよ……とフッと解脱した次第であります。

 

このようにひとつ煩悩が解消されたので今日はこれまで「どうせ汚く食べ散らかされそうだからやめよ」と思っていた焼き魚を満を持して出してみたのですが、夫は夫で「どうせうまく食べられないから全部食べる」というソリューションで小骨なども全部まるっと完食しており、背骨だけが残る大変きれいな食後の皿でした。そういうこともある。

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結婚式の時の花をシリカゲル使ってかなり丁寧にドライフラワーにしたのに引っ越して以来見つからない

専業主婦 week1

結婚式を挙げてから1ヶ月経ったんだけど新婚生活は諸事情につき2週間目です。

生まれてこのかた実家を出たことがなかったので、引越し直前は圧倒的なマリッジブルー(遅い)に見舞われ、毎晩「出て行きたくない~~~~~~~~~~ずっとこの家にいる~~~~~~(号泣)」みたいな状態だったけどいざ新生活が始まってみれば知らないことだらけでブルーになってる暇がない。

28ちゃいになってもお母さんに甘えっきりだったので自炊初心者どころかなんか生活全般のことがわからない。生活初心者です。生活、難しくないですか?

 

しかし主婦業が始まって1週間で早くもいろいろな謎が解けてきた感がある。

まずスーパーでロールのビニール袋をガラガラガラって大量に取っていくおばちゃん問題ですが、あれ絶対生ゴミ捨てるのに使ってますね。1日3食家でしてたら都度生ゴミの袋欲しいしわざわざ買いたくないわ。ということで私も早速ガラガラしております。

次になぜ主婦はノースリーブに日焼け防止グローブをしているのか問題(その二の腕の隙間焼けるやんけ)ですが、まず日々のスーパーの買い物で日傘の開け閉めすんの手が塞がっててだるいですね。OL時代にランチ行くとき財布だけ持って日傘さしてたんとは違う。そんでスーパーの袋下げてたらどうしても肘から先は日傘ではカバーできないですね。毎日日焼け止め塗るとかめんどくさすぎるし、これまた私もグローブを買ってしまいました。

そして日々着る服が変わりました。圧倒的に薄着になった。会社員の時は社内はスーツの営業さんにあわせてキンキンに冷えてたのでノースリーブ1枚なんて考えられなかったのですが、昼間1人だし部屋そんなに冷やすのは気がひけるんですよね。だから家の中ではほぼノースリーブです。そして近所の外出の時はグローブを着用。ほら二の腕に隙間できる~。なるほどねと思いました。

ちなみに家の中で熱中症になって倒れる人って毎年いるじゃないですか。自分ちなのに意味不明クーラーつけたらいいじゃんと思っていたけど自分ちだから電気代気にしてつけないんだね……今なら分かるよ……でも私は1日中つけっぱなしでもたいして消費電力変わらんってやつ信じてやってみるよ……

あとスーパーの前にある食品トレーとかの回収ボックス、あんなのいちいち持ってくるなんてリサイクル意識高いな~と思ってたけど、違うわ。ゴミの日まで家に置いとくの邪魔くさいし買い物ついでに持ってきた方が家片付くわ。ということがわかりました。

 

生活初心者はスーパーで買い物するにしてもいちいち一大事です。この野菜のこの値段は高いの?安いの?どんくらい日持ちするもんなの!?

こういうの全然わからなくて最初の1回は義母にスーパーについてきてもらった……。きゅ、きゅうりはどれ選べばいいですか!?「イボイボがとがってんのが新鮮なやつやで~」

メニューを考えるのもそもそもレパートリーがないので、その日特売の食材を使うレシピ検索、で今のところ回っているけどこれ毎日スーパーに行ける今だから成せる技だよなぁ。

壁くんに教えてもらったベターホームのお料理一年生を読本に食材ごとの保存など勉強しております。

 

新・ベターホームのお料理一年生

新・ベターホームのお料理一年生

 

 

 

その他の小トピックはこちら。

・排水溝に浅型・深型というものがあることを知る。

・二日目にして新居にゴキブリが出てキレる。

・夫が毎日お母さんが淹れた麦茶を1ℓ持って出勤していたことが判明し、当然やってもらうという義実家の雰囲気だったため野球部のようなやかんを買ってもらう。水でも飲んどけと思うけど致し方なし。

・ねえジップロックのちゃんとしたジッパー付きの袋って使い切り?洗ってまた使うもんなの?袋として立派すぎて一回で捨てられない……

 

前職のつてで細々とした仕事をもらってるけどあまりに細々すぎるので、もう少し落ち着いたら安定収入が欲しいなぁと思う反面、主婦って立ってる時間長すぎじゃない!?会社員の時より疲れてるよ毎日!

よくネットでは「主婦がいかに大変か」みたいなトピックが定期的に上がってくるけどそれって子育てもして働いてみたいなお母さんだったりするからさ、こんな夫婦2人で大変とか言ってる場合じゃないんだろうけど。共働きしてるだけでもう大尊敬だよ……

 

幸いまだ大きな失敗はなく夫も機嫌良く過ごしてるので、生活お役立ちアカウントなどをフォローして頑張りたいと思います、応援よろしくな!

ここまで晴れなくてもよかった

早く選ばれて誰かのものになりたいの私は。

そう思い続けて二十余年、やっと昨日入籍してきて心からほっとしてる。

結婚がゴールじゃないとはよく聞くけれど、私にとっては紛れもなくひとつのゴールで、やったー!ファイナリーここまで〜!!みたいな喜ばしさがある。

もうほんとに結婚以外したくなかった。彼氏がいなくても毎日楽しくて仕事も頑張ってて仲良くしてくれる友達もいて愉快に暮らしているので、ぼんやりしてたらこのままでもなんら困らない。私は何不自由なく、むしろ標準より裕福な家庭で育ち家族に一切の不満がないが故、家族は常に一番大切なもので、ファザコンとかマザコンならぬファミコン?なんですよね。ファミリーコンピューター。だからお父さんとお母さんとお姉ちゃんが百年生きてくれるんなら結婚なんてしなくていいけど、親は先に死んじゃうし、お姉ちゃんは結婚しちゃったし。私は私で自分の家庭を持ちたい、持たなきゃ、という半ば強迫観念に駆られていたので、「結婚なんて別にしなくてもいい」「結婚したくない」と思ったことがマジで一度もない。子供も欲しいし。それに加えてどうしても劇的にモテない、とにかく男の人から選ばれない人生だったので、誰か〜!!誰か早く〜!!!二十代の正社員ダブルインカムオッケーで〜〜〜す!!!みたいな旗を振りかざしながら婚活市場であらゆる術を試しました。

結局お見合いで知り合った人と結婚するんだけど、こんなにもときめかないまま結婚するのめっちゃ自分っぽいなと思ってややウケな状態ではあります。彼氏だと思うと面白みのない男の子だけど旦那さんになったら安心なタイプ。とってもまじめでややもすると愚直。なんか生まれたてのアンドロイドみたいなかんじで、コンピューターは高性能なんだけどまだアプリが野球とポケモンしか入ってないのでこれからがんばってインストールしていきたい所存です。

 

この先の人生で身を焦がすほどの大恋愛をすることが果たしてあるのか?と何度も考えた。お姉ちゃんに子供が生まれた時は「やっぱり本当に好きな人とじゃないとこんな大変なことできないのでは!?」と思ってすごい心が揺れたし、彼の方は今まであんまり彼女とかいなかったタイプなので、はじめて見た動くものを親と思う雛鳥のような状況になっているのでは…?別にこの人は私じゃなくてもいいのでは…?みたいなことを考えたりと、あー私にもこういうウェットな部分はあるんだなーと新発見だった。

でも仮装が趣味な私のせいで前撮り2回にハネムーンで後撮りまで付き合わされるのに、「君が楽しかったら僕も嬉しいよ」と言ってニコニコしてくれる姿を見て、この人に決めたのは多分間違いじゃないとつい2週間ほど前にようやく思いました。

はーあと15分で挙式会場に行かねば。マジか。ウケる。

 

今日は32℃の夏日だそうです。

三宅島(&御蔵島)2016GWの旅〜後半

前半の続きです。

 

ダイビングの時は実はまだかなり海が荒れていて、潜れるポイントは一箇所しかありませんでした。風がめちゃくちゃ強くて遠目で見ても沖の方まで白波が立ってて素人目にもこれはまずいなと分かったほど。

最近旅行運が低下していることもあり、これは明日ドルフィンスイムの船が出なくても不思議じゃないな……と半ば覚悟をしながら眠りにつきました。

 

メインイベント、ドルフィンスイム

 

朝起きたら曇ってはいるけど風は止んでる!やったー!

どうでもいいけど朝ごはんに毎回納豆が出てきて、納豆ほとんど食べたことなかったけど食べてみたらいけた。多分人生で納豆食べたの5回くらい。

 

港に着くと漁船がスタンバイしており、他2組のお客さんと一緒に乗船するようでした。なんだ!お客さんいるじゃん!

ドルフィンスイムは、器材を背負って潜るダイビングではなくスキンダイビングです。ウェットスーツにマスク・シュノーケル・フィンといった格好に、ウェットスーツで浮力がプラスになる分ウェイトを付けます。

私はダイビングばっかりでシュノーケリングやスキンダイブの経験がほぼゼロだったので、前日に少しスキンダイブのスイムトレーニングをしてもらっていました。

コツは上半身を海中にグン!と入れる時に足をまっすぐ上げる!足さえちゃんと上がれば自重で沈める。でもできるのは3回に1回くらい。あとは沈めずに海面でジタバタしていた……。

船は御蔵島へ向かって出発します。

 

イルカと一緒に泳ぎたい

 

風は止んでるとはいえ、波はまだあってすごい水しぶきがかかる。これは……寒いぞ!

やや凍えながらも「イルカはいるか」というダジャレを言い出さないよう唇を噛み締めて約40分。霧が立ち込めていて海面から島の半分くらい見えていない状態の三宅島に近づきました。

「イルカ、船の前方から来てまーす!どんどん入って!」と指示を受けてエントリー!

 

入った瞬間にイルカが2頭見えて、いきなりすぎてパニックになって完全に海水を飲んでしまった。えー!近い!近い!!

野生のイルカは、水族館で見るイルカよりもムキムキで、ツルツルじゃなかった。体に細い筋の傷がたくさんあって、これは体がかゆい時に岩にこすりつけたりしてるからなんだそうです。そして本当にムキムキ。でも顔はすごく優しい……

 

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前日練習した甲斐もなく、イルカが現れると興奮して息が上がって全然呼吸を整えないまま潜ってすぐ死にそうになって上がる、ということを繰り返してしまったため、イルカと一緒に泳ぐということはできませんでした。泳ぎうまくなりたいよ〜!!

目で見るのに夢中で動画を撮るのはやっぱり難しかったのですが、GoProを持って行ってたので頑張って撮影してみました。ダイビングを合わせて動画にしたので是非みてください。酔いそうにブレておりますが。

素潜り下手だし落ち着いて水面にいた方がいい絵が撮れるのでは?と思ってやってみたのがラストカットです。その通りだった。

 

 


三宅島2016

 

ダイビングではマダラエイのでっかいやつが見られたのが楽しかった。

エイの存在に気がつかなかったので(オーナーが指差していたのはわかったけど水中ばかり見ていて海底はノーマークだった)、みんなは私がガンガン近寄っていくのでヒヤヒヤしたそうです。

 

奥が深いぞ三宅島

 

ドルフィンスイムが終わってショップに戻ってきたら速攻で着替えて機材を洗って一瞬でも水着を脱水機にかける!(これができるかどうかで帰りの荷物の重さが違うので超重要)

お昼の船に間に合うようにオーナーが港まで送ってくれてお別れ。

正味1日半の滞在でしたが、三宅島のいいところをしっかり味わうことができました。

オーナーが運転中に色々説明してくれたおかげで、三宅島の噴火の歴史を完全に覚えた。昭和15年、37年、58年、そして2000年!15〜20年周期で噴火しているので、そろそろまた噴火が起きてもおかしくない頃だそうです。

一見すると土に見えるようなところも全て溶岩で硬かったり、溶岩流を受けて廃校になった学校の跡地がそのままだったり、噴火の際に出た火山ガスで木が枯れてしまい白くなった幹だけが乱立している様は初めて見る光景でした。この辺車で通りがかっただけで写真がないのが残念。

観光するにもセーフティエリアが設定されているのも行って初めてわかった。

火山活動の影響で海岸の砂利にはペリドットがいっぱい混じっていました。「これはカンラン石だよ」と言われてカンラン石って理科で習ったことあるぞ!!と突然シナプスがつながってアハ体験もした。

温泉も湧いていて市営浴場に連れて行ってもらったのですが(気持ちよかった)そこで初めて島民の人々に出会った。そういえば人に全然会わないな〜けっこう住民数いるはずなのにと思ってオーナーに聞いたら、「みんな車だしまず出歩かない。健康にいいと思ってウォーキングを始めた時も通る車がみんな止まって『どした?なんで歩いてんだ?』と救助されそうになるからすぐやめた」と言っててウケた。

 

三宅島、ただ単に東京から行ける島でたまに噴火する、くらいのイメージしかなかったんですが、火山活動のおかげで独特の生態系を持った面白いところでした。

観光ポスターにもなっていた大路池にも行きたかったなぁ。

miyakejima.blog55.fc2.com

 

また行きたいな〜。行ったら必ずまたスナッパーさんに泊まる!!